20 2021 .Jun

働き者

唯一味の歴史を遡ること80年余り

古い古いエピソード。

吉松親父(きちまつおやじ)こと、私の曽祖父のお話。

働き者の吉松親父、
片道2時間かかる土地を買い耕していた。

朝4時から家族と牛を連れて畑へ向かい
陽が落ちるまで皆んなで畑仕事をする日々。

幼かった祖母も眠い目を擦りながら毎朝
牛のお尻について行き
草むしりや野菜摘み、
田植えや稲刈りに駆り出されていたそう。

その畑の隅には唐辛子も植わっていたそうで
それが後の唯一味となる。

ある日のこと、
日没を過ぎてもまだ黙々と作業をする
吉松親父一家。
祖母の姉の鶴さんがため息をつきながら一句

“陽は星座に没せんとす
    吉松親父はまだ上がらんと云ふ”

「姉さんがそやん言うけんがお母さんと笑った笑った」
と昨日のことのように話す祖母。

私はこの話を聞くのが本当に好きだ。

働き者の吉松親父の血は祖母へと継がれたのは確か。

私までちゃんときてくれているだろうか。
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#唯一味#昔話#父の日#亡き曽祖父へ感謝

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