12月に入り、時間がどんどん過ぎるから
心もゆっくりせず、そわそわしてしまう。
忙しさに気がついた時、
大きく深呼吸してみる習慣がついたのは今年のこと。
今年の一番大きな気づきは、
ゆったりした心を保つことが
あらゆる幸運に繋がっていくということ。
健康だったり、気持ちだったり、
人との関わりだったりに
大きく影響していくから。
だからバタバタしている時にこそ
大きな深呼吸をするようになった。
今年の秋が始まった頃のこと。
収穫から帰ってきたらばあちゃんが居間に座っていて、
「ただいまばあちゃん、疲れたよ」
と声を掛けて洗面所へ手を洗いに行った。
私が手を洗っている間に、
ばあちゃんが母に
「女が帰ってきた、誰じゃろか?」
と話したらしい。
ばあちゃんは、思い出や記憶を
昨日や一昨日にひとつひとつ置いて
90年余でパンパンになっていたストレージを
少しずつ減らしながら過ごしている。
そんな症状がもうかなりの年月に。
いくらなんでも、
私のことは忘れないだろうと思い上がっていたら
「女」と呼ばれ、後頭部をどつかれた気持ち。
少し落ち込んだけど、大きく深呼吸したら
気持ちが切り替わった。
ばあちゃんは、何も無かったかのように
「可奈子は器用かけん、私のお母さんに似ちょるばいね」
いつものばあちゃんに戻っていた。
忘れたり思い出したりを繰り返して
いつか全部忘れてしまうのだろう。
忙しさに惑わされて、今を見逃したらあかん。
そう思って、今を存分に味わえるように
今日も大きく深呼吸。
もうすぐばあちゃんの誕生日。
93歳、おめでとう!