ばあちゃんと一緒に耕した最初の2年。
唯一味を初めたばかりの頃の話。
一番大変だったのは、
ばあちゃんの方言が難しくて
標準語+関西弁バイリンガルの私には
ばあちゃん語(唐津弁+お年寄り語+早口)を
完全に理解するのに、1年以上要しました。
いまだに分からない単語も色々
・いさぎなもん
・しょぽんしょぽん
・しんしょとるかはなとるか
・よめさせんね
誰に聞いても分からないから
生涯の謎になるのだろうな。
逆に、だんだんとヒアリングが出来てきて
分かったこともあります。
それは、
ばあちゃんの唐辛子が在来種だったこと。
ばあちゃんのお父さん(私の曽祖父)から受け継いだ種だということ。
ばあちゃんは辛いものが苦手だったこと。
漬物を毎年漬けるのに1本唐辛子を入れる為という理由だけで、唐辛子を毎年育てていたこと。
私が受け継ぐまで続いてきたこの唐辛子は
いつ途絶えても不思議じゃなかったなと、
何という奇跡なんだと、
知れば知るほどに
ドキドキソワソワしました。
その奇跡の粒を、
今年も大事に蒔いたのですが
芽が出て、その上に桜が舞い降りて
美しい光景の4月。
9周年を迎え、10年目に入る月。
色々と言いたいことが湧き出てきます。
また耳を傾けていただけましたら幸いです。
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