ばあちゃんが84歳だった頃
「あ、あそこに筍生えちょる」
と山を駆け登ったり
「こっちが近道ばい」
と石垣を飛び降りたり
ワンダフルな場面に
度々驚かされていた。
85.86.87と歳を重ねるごとに
少しずつ荷物を下ろしていくように
得意な編み物をやめて
畑をやめて読書をやめて
日記を書くのをやめた。
そして気がつくと、
手を繋いで支えながら
散歩をする様になっていた。
今は散歩にも行かなくなった。
ばあちゃんは今月で92歳。
生まれた日
辺り一面が霜で真っ白な朝だったから
シモと名付けて貰ったのだそう。
ばあちゃんから受け継いだ唐辛子だから
屋号をFarm of Frost(シモさんの畑)にした。
真面目で働き者だった人だから
もうこれ以上頑張れとか言いたくないのだけど、いつまでも元気でいてほしいのです。
お誕生日おめでとう
ばあちゃんと過ごした全ての時間に
愛と感謝を込めて
そして92歳の毎日が
穏やかで温かくながれますように。