唯一味 -粗挽き-
そもそも私の
なくてはならないもの
ばあちゃんの唐辛子
それがこちらの
種も一緒に粗挽きされている一味唐辛子
今や一本ずつ綺麗に箱詰めされて
シュッと並んでいますが
昔はインスタントコーヒーの空瓶に詰められ
丁寧に育てられた野菜たちと共に
くたびれた段ボールの片隅で
年に数回のばあちゃん便に乗って
送られてきていた。
夏休みに佐賀のばあちゃんの家に行くと
朝ご飯に出てくる味噌汁に必ず
この粗挽き唐辛子が入っていて
九州地方の甘めの手前味噌に
抜群に合っていて
それが私の一番好きな味噌汁だ。
今でも必ず
味噌汁には一味唐辛子。
日常のほんのひとときに
元気と安らぎをくれる
私の大事なもののひとつ。
種を受け継いで暫く経つまで
知らなかったけど、
先祖代々100年以上繋いできた
貴重な在来種の唐辛子だった。
自分が唐辛子農家になるなんて
想像もしなかったけど
種を受け継いで本当に良かった。